2018-06-19

てんから


先日、傾城森で、登攀欲をそそる一本のラインに出会い、登る事が出来ました。

課題名=てんから
グレード=初段

それにまつわるちょっと長いお話です。



 Craft/5.12dというボルトルートのスタート地点から、既存のボルトを追わずに左ルーフ下から壁の強点を直上し、Craftの最終ボルト付近に合流、そのままトップアウトしました。ホールドがとても多彩で、ルーフ特有の足技や、一本指ポケットでの引き付け、さらにハンドジャムまで使う、これまで東北の岩場にはないバラエティに富んだ内容。おまけに高さもあって素晴らしいラインを引けたと満足しています。Craftの初登者・杉本氏に説明をし、新ラインかどうかの確認をとりましたが、残念ながら、ほとんど記憶にないので分からないという事でありました。しかし、確証は得られませんでしたが、Craftのボルトは、右手のさらに遥か右側にあり、全てのクリップ動作がとても不自然かつ、クリップ失敗がグランドフォールのリスクがある事から、やはり別ラインとの、自分なりの結論に至りました。Craftのボルトを追って検証しようとも思いましたが、そのためにわざわざ自分の思い描くラインと違う登りをする気にもなれなかったので、とりあえず暫定の初登とし、再登者の意見を聞いて考えていきたいと思います。7mほどの高さがありますが、強度的な核心は中間部で上部は易しい。グレーディングには全く自信がないのでこれも暫定です。ジムとかでルーフ課題が得意な人は簡単に登れてしまうかもしれません。自分は長い強傾斜課題の経験が少なく、普段ジムにも通っていないので、全く想像もつかないというのが本音です。再登者の意見を聞いてみたいです。尚、マットはレギュラーサイズ1枚とサブマットを2枚使いました。下地は石がゴロゴロなので注意が必要です。とにかく、この課題はボルダラーなら是非やるべき内容だと思います。お試しあれ。

 この件を考える中で、岩登りの諸先輩方の意見や貴重なお話を聞く事が出来ました。中でも興味深かったのは、今から約25年前、まだ傾城森の岩にボルトが打たれる前の話で、その頃からすでにボルダリングとして様々なラインにトライし、尺ヤマメ/5.10b等は登られていた、それがある時から突如大量のボルトが打たれ、今のようにたくさんのルートが生まれ、ルートのエリアとして認知されていったのだという経緯でした。その事について、その先輩は何も言及していないし、自分自身もハッキリとした答えを求めているわけでもない。ただ、何万年も前からそこにあり、この先何万年後もあるだろう自然の岩に対し、ボルトを打つ、岩に手を加えようとする人間は、様々な観点から、その必要性や岩に向ける情熱の行末を考え、常に新しい議論をしていくべきなのかな?と思います。

 ちなみに、課題名の「てんから」とは、渓流に生息するヤマメやイワナ等を釣る、日本の伝統的釣法で、一本の竿、糸、毛鉤というシンプルな道具の、言わばボルダリング的な釣りです。西洋式のフライフィッシングとは違い、糸の長さが固定されていて、釣れる範囲に制限が存在します。また、「テンカラはテンカラー」というキャッチフレーズもあるほど、毛鉤を操るテクニックや、釣行スタイルは「十人十色」。素朴で不自由がゆえに奥が深いのが魅力で、最近では、海外でもブームになっているほどなのだそうです。

















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